中間の「ミドル」グループは仲間でも敵でもない? 共有する身分情報と再提示が扱いを決める
この論文は、仲間(イン・グループ)と他者(アウト・グループ)の二分法では説明しきれない場面で、人々が「中間」グループをどう扱うかを調べています。中間グループとは、仲間といくつかの特徴を共有するが完全には同じでない集団です。著者らは、どの程度の共有が中間グループを中立的に扱わせるかを実験で確かめました。
研究者たちは合計376人を対象にマルチラボのオンライン実験を行いました。参加者は4つの身分マーカーでグループに分けられました。身分マーカーとは、たとえば絵の好み(最小グループ基準)、大学の所属、同じオンライン実験セッションにいるかどうか、ランダムに割り当てられたグループなどです。参加者は60回のサイコロ振り課題でトークンを配分するルールを与えられましたが、そのルールは観察も罰もない私的な状況で破ることが可能でした。したがって、違反は評判や報復を避けた上での利他的な行為として扱われます。
結果は条件付きでした。中間グループが仲間と二つの身分マーカーを共有していて、そのうちに大学の所属が含まれる場合は明確な階層が現れました。つまり、イン・グループが優遇され、中間グループは与えられた配分ルールに従って扱われ、アウト・グループが損をします。一方で、中間グループが仲間と一つしか共有しない場合は、どのマーカーであっても中間グループはアウト・グループと区別されませんでした。さらに興味深いのは、こうした差別化した行動は実験の第2フェーズで指示とグループ構成を再提示された後に現れ、ラウンドを通じて徐々に進行したわけではなかったことです。
この研究は重要です。現実の集団関係は単純な二分には当てはまらないことが多いからです。著者らは「身分マーカー」の枠組みを示し、どの程度の類似が仲間扱いを生み出すかを系統的に測れるようにしました。実験は完全私的でフィードバックもないため、評判や観察効果による混入を避けた行動データを提供します。
しかし限界も明示されています。実験はオンラインのラボインザーム方式という限定された状況で行われました。使用した身分マーカーの種類や文脈が結果に寄与している可能性があります。また、差別化が再提示後にしか現れない点は、日常の短時間の出会いでは同じ効果が出ないかもしれないことを意味します。論文は、より複雑な集団関係を扱うための道具を提示しますが、一般化には慎重さが必要だと結論づけています。