CMS、2つのジェットを伴うZボソン対の電弱生成で証拠を報告 — 13TeV衝突での測定
CERNのCMS実験は、陽子–陽子衝突で電弱(electroweak: EW)により2個のZボソンが生成され、これに2本のジェットが伴う反応(ZZjj)の証拠を報告しました。解析は大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider: LHC)で得られた√s = 13 TeVのデータ量138 fb⁻¹に基づきます。最終状態としては一方のZが電子またはミューオン対に、もう一方が見えないニュートリノ対に崩壊する事象(ℓℓνν)を使い、フェデュシャル断面積は0.37 +0.14 −0.12(統計) ±0.06(体系)フェムトバーン(fb)と測定され、標準模型の予測0.39 ±0.06 fbと一致しました。単独チャネルでの信号の観測有意性は3.1標準偏差で、期待値は2.8標準偏差でした。
解析で研究者たちは、事象を厳しく選別しました。選択条件は同じ種類で反対符号の2個のレプトン(電子かミューオン)、大きな欠損横運動量(検出されないニュートリノの存在を示すpmissT > 120 GeV)、そして大きな固有質量(mjj > 400 GeV)と広い速さ差(|Δηjj| > 2.5)を持つ2本以上のジェットです。主な背景には、強い相互作用(QCD)で生成されるZZ、WZやWW、トップクォーク過程、そして測定誤差でpmissTが見かけ上大きくなるDrell–Yan過程(Z+ジェット)が含まれます。これらはモンテカルロシミュレーションとデータの制御領域を組み合わせて推定されました。
物理的な仕組みの高レベルな説明としては、ベクトルボソン散乱(vector boson scattering: VBS)と呼ばれる過程が関係します。これは入射クォークから放出されたWやZといったベクトルボソン同士が相互作用して新たなボソン対を作る過程です。VBSはヒッグス機構と関係が深く、高エネルギーで理論の一貫性(単位性)を保つために重要です。本解析では、一方のZが可視のレプトン対に、もう一方がニュートリノ対に崩壊する事象を使い、グラフニューラルネットワーク(GNN)という機械学習法で信号と背景を区別して信号感度を高めています。
なぜ重要かと言うと、この種の測定は電弱相互作用を直接チェックする手段になります。測定結果は標準模型の予測と整合しており、さらに「異常四結合(anomalous quartic gauge couplings: aQGC)」と呼ばれる標準模型外の効果を制限するための上限も与えられました。加えて、このℓℓννチャネルの結果を以前報告された4個の荷電レプトン(4ℓ)チャネルの結果と組み合わせると、電弱起源のZZ生成について観測有意性は5.0標準偏差(期待値4.5)となり、観測と見なせる水準に達しました。
重要な注意点としては、この単独チャネルの測定は統計誤差が大きく、測定値の不確かさは統計成分が支配的です(±0.14/−0.12 fb)。背景の評価はシミュレーションに依存する部分があり、EW過程とQCD誘起過程の干渉は信号量の約8%として系統的不確かさとして扱われています。Drell–Yan背景は断面が大きいため特に注意深く扱われ、γ+jets(光子とジェット)制御サンプルを用いて補正しています。したがって個々の数値や有意性は、今後のより多いデータや理論・シミュレーション改善によって更新される可能性があります。