JWSTが直接撮像で発見:若いM型星RX J0534.0-0221の周りを回る低質量巨惑星と塵の円盤
概要:研究チームは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測で、若いM型星RX J0534.0-0221の周りを回る新しい巨大惑星「RX J0534.0-0221 b」を発見しました。惑星は主星から約0.41秒角、約14天文単位に位置します。撮像と追観測の結果、これは背景の天体による偶然の一致ではなく、星と一緒に動いていることが示されました。併せて、同じ系に広がった塵の円盤の存在も確認されています。
何をしたか:チームはまずJWSTの近赤外カメラ(NIRCam)で二つのフィルター(F444WとF200W)を使って観測しました。F444W(長波長側)では信号対雑音比約17.5の点源が見つかりましたが、短波長のF200Wでは同じ点源は検出されませんでした。16か月後に大型双眼望遠鏡(LBTI)上のLMIRCamでL'バンド(赤外)でも再検出され、主星と同じ方向に動いていることから「共動」、すなわち同一系に属する可能性が6〜7シグマという高い確率で支持されました。
性質の推定:得られた光度データを大気モデルに当てはめると、放射総量は太陽光度の10^−5.48(ログで−5.48、誤差あり)と評価されました。系の年齢を18〜26百万年とすると、いわゆるホットスタート進化モデル(形成初期に高温と仮定するモデル)からは質量がおよそ2.8木星質量、表面温度が約674ケルビンと推定されます。L'とF444Wの色と明るさの組み合わせは、大気中で化学平衡が崩れている(非平衡化学)か、金属成分(元素の豊富さ)が高いことを示唆していますが、これは確定ではありません。
円盤の発見:F200Wの画像では点源とは別に広がった構造が検出されました。これは半径がおよそ79天文単位で密度が最大になり、傾き(視線に対する角度)は約56.5度と評価される残骸(デブリ)円盤と整合します。円盤の検出はこの系が若く、まだ塵が残っていることを示しています。
なぜ重要かと注意点:RX J0534 bは、直接撮像された中でも特に低質量の惑星の一つです。若いM型星の近くで太陽系サイズの軌道(この系では14 au付近)にある惑星としては、既報の例に次ぐ重要な発見であり、M型星の周りで巨大惑星がどのようにできるかを考える手がかりになります。しかし結果には重要な不確かさがあります。質量や温度の推定は系の年齢や「ホットスタート」といった進化モデルの仮定に依存します。検出は一部の波長で確かな一方で、スペクトル情報は限られており、大気の化学についての解釈は今後の観測で裏付ける必要があります。今後の軌道追跡と大気の詳細観測が、形成過程や大気の性質をより明確にするでしょう。